《ペットのはじめての病気》

身体も大きくなり、本当に子猫ではなく猫の行動になったなぁと感じる頃。
ナナが突然苦しみだした。
ナナは日当たりの良い窓辺でくつろぐことが多く、
その日もぽかぽかする日差しを浴びているようだった。
窓辺から飛び降りたと思った瞬間、ナナから変な鳴き声が。
苦しんでいるというか、吐いている?
あわてて近づいてナナの様子を見る。
ナナは吐いているのではなく、咳をしているようだった。
しばらくして落ち着いたが、近くの動物病院へつれていく。
いつもより元気のないナナに心配がピークになる。
診断の結果は、気管支炎。
猫にも気管支炎があることに驚いてしまった。
抗生物質をもらって、ゆっくり過ごすように、とアドバイスされた。
いつもゆっくり過ごしている気もするが。
特に大きな病気でなかったことには安心したが、
お薬を飲ませるのが本当に大変だった。
猫に錠剤を飲ませられるのか?という心配は的中し、
ナナはお薬を口に入れるとすぐに吐き出した。
早く病気を治すには、きちんとお薬を飲ませなければ。
でも、かわいそうで躊躇してしまう。
きちんと病院で飲ませ方を聞いてくれば良かった、
と後悔していると、息子がインターネットで調べてきたようで、
ナナの舌の上にお薬を乗せ、口を閉じさせると、
ナナの喉を優しく上から下へなではじめたのだ。
ナナもおとなしくしていると、ゴクンと喉が動いたように見えた。
息子はナナを褒めて、いっぱいなでてあげていた。
飲ませるほうが怖がっていたり、躊躇したりしていると、
猫に不安が伝わり、なかなか飲めないらしい。
時間がかかったり、怒ったりすると、その後もお薬を飲むことを
怖がるようになるらしいので、なるべく手早く、
何が起こったかわからないうちに飲ませるようにするとか。
このときは、息子がとても成長して頼りになる存在に感じた。
いつもは、何かあるとすぐにインターネットを調べたりしているのに、
焦ると何をして良いかわからなくなった自分のほうが、
頼りなく思えてしまった。